広島県公立大学法人 叡啓大学

里山に人流を生み出すことで自然環境を保持する施策の検討

企業と学生が一緒に取り組むと有効な課題を特定し、企業・教員(プロジェクトマネジメント人材)・学生がチームを編成して進めます。
企業にとっては、プロジェクトマネジメントスキルを持つ教員の伴走により、越境体験やプロジェクトベースでのスキルを得られる機会となり、高い評価をいただいています。
一方、学生にとっては、企業と対等な立場で新規事業などの価値創造に関わり、授業だけでは得られない実践的な経験を積むことができる学びの場となっています。

プロジェクトについて

クライアント株式会社荒谷建設コンサルタント
テーマ里山に人流を生み出すことで自然環境を保持する施策の検討
プロジェクト概要里山は、集落、耕作地、周囲の森林・河川で構成され、人が干渉することで形成された二次的な自然が魅力。同社が、土木施設の調査・設計で培った技術と環境保全技術を活かし、里山に人流を生み出しながら自然環境を保持する施策を検討しました。

学生との併走で得たイベントアイデアと思考過程が大きな成果

自然環境に絡めたまちおこしを実施したいと考えていたタイミングで共創プロジェクトのお話をいただき、学生の若い力とアイデアが新たな風を吹き込むことへの期待から始まりました。安芸太田町を舞台に設定し、行政も巻き込んで新規事業やイベントを検討。また、社員の意識変革を図ることも目的の一つでした。

学生は、学内でのアンケート調査や自然観察会への参加を通して、多様な視点によるイベント内容を提案してくれました。私たちが普段イベントを企画する際は「こんなテーマのイベントを開催したい」「そのためにはこんな準備が必要」という思考で進めますが、叡啓の学生は「イベントの目的は何か」「最終的に解決すべき課題はどこにあるのか」を明確にしてから、イベントのテーマや内容を決めていきます。

因果ループ図などを用いて効率的に多くの課題を見つけ、それを一つの課題に絞り込んでいく。次はその課題解決に向けたアイデアをひたすら付箋に書き出し、効果や実現可能性が高い解決策として落とし込んでいく…。私たちも一緒になってその過程を経験し、また課題解決のプロセスについての定金教授の授業も一緒に受けたことで、プロジェクトの成果以外にも多くの知見を得ることができました。

学生の持つ視点や行動力については、斬新な発想力や主体性が特に印象的でした。とある会議で紹介した地域の飲食店について、次の会議の時には「さっそくお店にヒアリングに行ってきました」と報告があった時は本当に驚きましたね。

今後は、このプロジェクトをモデルケースとして他地域への展開や継続的な地域貢献を目指していきます。また、新しい分野の開拓を検討する企業にも共創プロジェクトを薦めたいです。

互いの強みを生かして里山を知る新たなイベントを企画

山崎 地域活性に興味があり、参加しました。特に比治山での自然観察会は印象深く、企業が行う環境調査の技法を体験できる貴重な機会でした。

綿﨑 企業のみなさんは里山の環境保全に関するどんな質問にも即答で返してくれ、自然環境への強い熱意を感じました。私たちの「課題解決」という強みと、企業の「環境保護の知見」という強みがうまく噛み合い、たくさんのアイデアが湧いて充実した議論ができましたね。

鎌田 私は、安芸太田町でのイベントを検討するために、学内で行ったアンケート調査が印象的でした。「自然に関わる有料イベントに参加したいか」「どんな内容なら参加したいか」という問いに対して、「自分で育てたお米を食べてみたい」という回答が多く、その結果をなるべく取り入れられるよう工夫しました。

山崎 よくある田植え体験では、田植えから実食までにどうしても長い時間が必要です。しかし、精米・脱穀を体験した後にそのお米を食べる1日体験も「お米づくり」の一つであると考えました。実際、私たちもこのテーマに取り組むまでお米の「もみがら」「ぬか」がどんなものか詳しく知らなかったので、体験でこうした知識に触れることで自然への興味を促すことができると思ったんです。企業の方からも「その視点はなかった」とフィードバックをいただけました。

綿﨑 プロジェクト中盤では、安芸太田町に対して検討過程を報告。普段は検討の「結果」を重視してきたという皆さんにとって、「過程」の報告が新鮮だったようで、喜んでいただけました。

鎌田 提案したイベントは今年中に安芸太田町で実施される予定です。まちおこしに繋がる効果が生まれ、コンスタントに開催されるイベントになることを期待しています。

左から、綿﨑さん、鎌田さん、山崎さん

▼企業紹介

●株式会社荒谷建設コンサルタント

所在地/広島市中区江波西1-25-5

https://www.aratani.co.jp/

SNSで共有する

  • X
  • Instagram
  • facebook