叡啓大学での学びの集大成「卒業プロジェクト」
2026年2月21日(土)に、本学での学びの集大成である 卒業プロジェクト の公開プレゼンテーションを開催しました。
履修者たちは、11月の第2回報告会後、外部評価者などからいただいた意見を踏まえて、報告書をまとめ、提出しました。
履修者83名がポスター発表をし、また、6名の学生が口頭プレゼンテーションを行いました。
開会挨拶(有信睦弘学長)
有信睦弘学長による開会挨拶が行われました。

ポスター発表の様子
7グループに分かれて、15階・14階・3階フロアでポスター発表を行いました。




口頭プレゼンテーション
6名の学生が、15分ずつプレゼンテーションを行いました。
| タイトル | クラフト酒を通した地方・日本文化の伝達 |
| 発表者氏名 | 内田 栞 |

「クラフト酒」を通して日本文化を再発見する場を検討した内田さん。飲食店でのアルバイト経験から、海外の人に日本文化を伝える際、自身が日本文化を十分に理解していないことに気づき、日本人の自国の文化理解に目を向けました。そこで、大学3年次のインターンシップで出会ったクラフト酒を介した地域規模での文化理解の機会創出を計画。クラフト酒が持つ背景や物語を共有できる試飲ワークショップを実施しました。
内田さんは、「クラフト酒は”This is Japan“と一言で表せるものではなく、”これも日本”だと再発見するためのポータブルな文化媒体」と結論付け、今後は、広島で気軽にクラフト酒に触れられる機会を増やし、文化への関心を広げる取り組みを継続していきたいと卒業後の展望を話しました。
| タイトル | 「数値管理」からの解放 |
| 発表者氏名 | 小原 崇聖 |

小原さんはうつ病を経験し、安心を求めるために始めた「健康の数値管理」に依存してしまった体験から、「数値に縛られず漠然とした不安と向き合う方法」を検討しました。健康状態を数値で把握する生活は一時的な安心を与える一方で、理想値との差に苦しむ新たなストレスも生んだという小原さん。
そこで、数値と不確実性が交錯する「麻雀」のゲーム性に着目し、その思考プロセスを分析しました。先行研究から、麻雀における確立や統計に基づくデジタル思考、運や流れといった不確定要素に基づくオカルト思考、そして経験則から可能性を見出すアナログ思考の三側面を再定義。特に、理不尽な結果に絶望せず「〇〇していればこうだったかもしれない」とポジティブに可能性を見出すアナログ的思考プロセスが、自身の生きやすさにつながるのではないか、と結論付けました。発表の最後に「後輩たちにも、心が疲れたときこそ可能性に目を向け、前向きに進んでもらいたい」と話す姿が印象的でした。
| タイトル | Implementation of Renewable Energies in Mexico |
| 発表者氏名 | BUSTAMANTE ANTONIO Martin Rogelio |

大学進学を機に来日したMartinさんは、飛行機の窓から一面に広がるソーラーパネルを目にし、大きな衝撃を受けたといいます。母国メキシコでは再生可能エネルギーの普及がほとんど進んでおらず、日本の取り組みから学べることがあるのではないかと考え、卒業プロジェクトで政策提言に取り組みました。
メキシコで再生可能エネルギーを広く導入するためには、環境面だけでなく財政的な利点を示すことが不可欠だと考え、既存の発電方法と比較してどの程度コスト削減が可能かを試算。あわせて他国の事例を調査し、導入に適した地域条件についても検討しました。
その結果、導入を成功させるには単に技術を取り入れるだけでは不十分であり、「投資リスクの軽減」に重点を置いた政策設計こそが鍵になるという結論に至ったことをプレゼンしました。
| タイトル | ADDRESSING PERIOD POVERTY IN SENEGAL Integrating Skills Training and School Resources for Menstrual Health Sustainability |
| 発表者氏名 | BA Khadidiatou |

故郷セネガルでの深刻な生理の貧困問題に向き合ったBAさん。輸入品である生理用品は高価で、現地の女子学生にとっては簡単に手に入るものではありません。生理のたびに学校を休まざるを得ない生徒も多く、BAさん自身は高校時代から強い課題意識を抱いてきました。
一時的に生理用品を配布するだけでは、根本的な解決にはならない。そう考えた彼女は、再利用可能なナプキンを自分たちで作れる仕組みを提案。現地で開催したワークショップでは、地元で手に入る素材を使ったナプキンの製作方法や衛生管理について指導しました。その取り組みはセネガルの保健省や母子保健局からも前向きに受け止められています。
将来的には、ワークショップにとどまらず、学校内に製作機械を備えた拠点を設置し、女子生徒が必要なときに自らナプキンを作れる環境を整えたい——そう力強く展望を語りました。
| タイトル | 「深層文化の理解を目指す」異文化コミュニケーション教育とは? |
| 発表者氏名 | 岡野 穂乃香 |

岡野さんは海外留学での経験を発端に、異文化コミュニケーションにおいて、マナーやルールといった表層文化だけでなく、そのマナーが生まれた背景などの深層文化までを理解する必要があると考え、より良い異文化コミュニケーション教育について分析しました。
従来の異文化理解の教育における課題を洗い出した岡野さん。これを解消するために、既存の異文化理解ゲームを改良し、参加者自身が自国のマナーとその背景にある価値観を調べて「マナーカード」を作成するワークショップを実施しました。交流と振り返りを通して、自文化への再認識や他文化への関心の高まり、相手を尊重しようとする態度の変化、嬉しさや不安といった情動面の動きといった効果が確認されたといいます。一方で、実施時間の短さや長期的効果を検証できていない点を課題として挙げ、今後は参加者構成や実施時期の工夫、継続的な検証を通して、より実践的な異文化コミュニケーション教育の確立をめざす必要があるとまとめました。
| タイトル | Exploring how English medium instruction (EMI) actually works in mixed-proficiency classes: A case study at Eikei University of Hiroshima |
| 発表者氏名 | 吉本 考希 |

吉本さんは、叡啓大学のEMI(英語開講授業)のように学生の英語力に差がある環境において、EMIが日本語授業と比べてどのような学習効果をもたらすのかを調査しました。EMIを受講した学生や担当教員へのインタビューを通して、EMIと日本語授業の学習成果はおおむね同等であることが明らかになりました。一方で、EMIでは日本語授業以上に異文化間の対話が活発になり、社会階層や人権差別といった倫理的課題についても、より多角的で深い議論が生まれる傾向が見られました。
さらに吉本さんは、学びの質を左右するのは英語力そのものではなく、学生アシスタントの支援や学生同士の協働、自己学習の機会を活かしながら主体的に授業へ関わる姿勢であると指摘しました。
会場からは他言語による授業との比較について質問が寄せられました。これに対し吉本さんは、英語は国際的に最も広く共有されている言語であり、他言語での授業と比べてより多くの学生が主体的に参加しやすい可能性があると述べました。
閉会挨拶(石川雅紀ソーシャルシステムデザイン学部長)
石川雅紀ソーシャルシステムデザイン学部長による閉会挨拶が行われました。

卒業プロジェクトに関心をお持ちのメディアの方は、ぜひ広報担当までご連絡ください。
| お問い合わせ先 | 叡啓大学広報担当(日浦・太治) TEL:080-9208-0466 メール:publicrelations@eikei.ac.jp |