
卒業 プロジェクト テーマ | 広島のまちの魅力を向上し定住を促すプロジェクトの提案及び実施並びにその有効性検証 |
卒業 プロジェクト 概要 | 広島市中心部の水辺空間を活用し、都市の魅力向上と定住促進を目指すプロジェクトを提案・実施し、その有効性を検証する。具体的には、アウトドアブックカフェのイベントを企画し、参加者へのアンケートや有識者へのヒアリングで有効性を検証する。 |
広島の都市機能と自然の両立をめざして
街の魅力創出プロジェクトで培った課題解決力
私が進学を機に暮らし始めた広島は、都市機能と自然の充実度のバランスが絶妙な「魅力的な街」という印象でした。しかし広島県からの転出超過問題を耳にするにつれ、広島は平和都市としての観光要素は充実していても、住民が魅力を感じられる街として機能できていないことに気付かされました。
そこで卒業プロジェクトでは、広島市中心部の水辺空間を活用し、都市の魅力を高める方法を研究しました。都市における自然環境の役割に着目し、都市住民の定住意識を高める取り組みです。具体的には「アウトドアブックカフェ」のイベントを開催し、その効果を参加者のアンケートや有識者のヒアリングを通して検証しました。
「魅力」というテーマは主観的要素を含むため、システム思考とデザイン思考の手法を用い、学術的なアプローチを通して普遍的な意見を引き出す工夫をしました。具体的には「自然と親しむ」「自己実現ができる」など8項目の評価軸を設定し、アンケート調査を実施して数値による結果を重要視しました。実際に川辺で好きな本を読み交流する「アウトドアブックカフェ」のイベントでも、同じく参加者へのアンケートやヒアリングで有効性を検証しました。
卒業プロジェクトを進める過程では、「課題解決演習(PBL)」の授業での経験を活かすことができました。PBLを通して、課題設定、本質的な課題の発見、解決策の提案する力を身につけて、企業や地方自治体等が実際に直面している課題について扱い、課題解決を実践する経験ができたため、卒業プロジェクトテーマに対しても、自ずと課題解決に向けた適切なアプローチを行うことができました。また、システム思考・デザイン思考を用いたことで、論理的に事象を捉え、課題解決のアプローチを強化することができました。


最終報告会でのフィードバック
2024年11月11日(月)開催の「卒業プロジェクト最終報告会」にて、プロジェクトの進捗報告を行いました。
報告会では、外部評価委員として企業・行政などのステークホルダーを招き、プロジェクトに対して、新規性、実現可能性などの観点からフィードバックをもらいます。私のプロジェクトには、NECソリューションズイノベータ株式会社 イノベーション推進本部 シニアプロフェッショナル 石崎浩太郎様、株式会社SANKYO 代表取締役 宮迫雄平様にフィードバックをいただきました。
<フィードバック内容>
・アウトドアブックカフェの実施が若年層の人口流出抑制につながる理由について、より明確に提示できればさらに良いプロジェクトとなる。
・若者が広島から転出する本質的な理由についても併せて調査を行うことで、別の解決策も見つけることができると思うので、引き続き検証を進めてほしい。

卒業プロジェクトを通じての自身の成長
「アウトドアブックカフェ」のイベントがメディアに取り上げられたことで、地元のまちづくり団体や多業種の方々とつながり、街づくり活動に参加する機会も増えました。プロジェクトを通じて得られた人脈や広島の若者を応援する風土の理解が進んだことも大きな収穫だったと感じています。また、本プロジェクトを通して、複雑な課題に対して冷静に対処する力や、期限内に計画を完了させる自己管理能力を養いました。これは卒業プロジェクトに限らず、生きていく上で必要な、仕事をやりきる力だと思います。
現在は広島での起業をめざしており、都市機能と自然環境の共存というビジョンを実現するための計画も立てています。本プロジェクトで自分が感覚的に感じていた「広島の街には自然を組み込むことが重要」という考えがしっかりと学術的に裏打ちされ、今後の事業内容を決める際の重要な視点になると考えています。この景観は広島に新たな魅力を創出する一歩となり、地域社会に貢献するための成長の基盤となりました。