2026年3月26日(木)、叡啓大学にて「共創プロジェクト・ひろしまバリューシフトプログラム最終報告会」を開催しました。
会場とオンラインのハイブリッド形式で行い、会場参加、オンライン参加あわせて53名の応募があり、企業関係者や学生、本プロジェクトに関心をお持ちの皆様にご参加いただきました。

企業・大学・人材が連携する実践型プロジェクト
叡啓大学では、企業が抱える課題の解決や新規事業の創出を目的に、企業・教員(プロジェクトマネジメントスキルを持つ人材)・学生がチームを組んで取り組む「共創プロジェクト」と、都市圏の専門人材を企業に受け入れ課題解決を図る「ひろしまバリューシフトプログラム」を推進しています。
共創プロジェクトでは、学生が企業と有償契約のもと実践的にプロジェクトへ参画し、調査・検証を重ねながら新たな価値創出に挑みます。
一方、バリューシフトプログラムでは、客員研究員が企業の一員として週4日現場に入り、大学でのリカレント教育と並行しながら課題解決を進める仕組みとなっています。
第1部 全体セッション
第1部では、叡啓大学 産学官連携・研究推進センター長の早田吉伸教授による挨拶および、本学の産学官連携の取組についての説明が行われました。

続いて、下半期共創プロジェクトのミニピッチとして、広川株式会社および新和金属株式会社でプロジェクトを進める学生が登壇し、各プロジェクトの概要や背景が共有されました。


また、ひろしまバリューシフトプログラムの連携機関である協同組合全国企業振興センターより、本プログラムの意義や研究員の報告への期待についてのコメントが述べられました。

その後、客員研究員5名によるショート報告が行われ、各企業における半年間の取組成果が紹介され、企業ごとの実課題に対する具体的なアプローチと成果が共有されました。
第2部 プログラム詳細報告
第2部では、会場を分けて以下の2プログラムの詳細報告を実施しました。
・共創プロジェクト
・ひろしまバリューシフトプログラム
参加者は途中の移動時間を活用し、両プログラムを横断して視聴することが可能な構成としました。
■ 共創プロジェクト
共創プロジェクトでは、まず上半期参加企業である株式会社シンギへのインタビューを実施し、プロジェクトを通じた変化や事業化への展開について共有されました。
特に、資源循環をテーマとした取組から、大学発ベンチャー設立へとつながった経緯が紹介されました。
「使い捨て食品容器の資源循環モデル」を広島から 叡啓大学発のベンチャー企業が初めて誕生しました! – 【公式サイト】広島県公立大学法人 叡啓大学

続いて、下半期に実施した2つのプロジェクトの成果報告が行われました。
① 広川株式会社
既存顧客との関係性を活かし、複数商材を組み合わせて価値提供を行うクロスセル営業アプローチの開発に取り組みました。学生と企業が協働し、全商材に対応可能な提案フォーマットの開発や、社内でクロスセルを推進するための仕組み設計を行いました。
今後は、本プロジェクトで構築したクロスセル営業の仕組みや提案フォーマットを実運用の中で検証し、改善を重ねながら全社への展開を進めていきます。


② 新和金属株式会社
設備保全チームの高い技術力を活かし、他社工場の課題解決を支援する新規事業の検討を実施しました。学生によるインタビューや市場調査を重ね、既存の強みを活用したサービスモデルの構築と需要検証を行い、新たな事業の方向性を提示しました。
今後は、本プロジェクトで検討した設備保全の強みを活かしたサービスモデルについて、具体的な提供内容の精緻化と実証を進め、事業化に向けた検討を深めていきます。また、外部企業への展開可能性を検証しながら、新たな収益機会の創出を目指します。


■ ひろしまバリューシフトプログラム
ひろしまバリューシフトプログラムでは、客員研究員が企業とともに取り組んだプロジェクトの詳細報告が行われました。現場に入り込んで課題解決を進めた具体的なプロセスや成果、今後の展望などが共有されました。
① 常石商事株式会社(客員研究員:阿部浩太郎)
新規事業推進人材の不足という課題に対し、陸上養殖および系統用蓄電池事業の検討を通じて、実践的な事業推進プロセスを構築。仮説検証を繰り返す中で、スタートアップ的手法と既存企業の強みを組み合わせた事業開発アプローチを整理しました。
今後は、検討した事業の具体化と社内での事業推進体制の強化を進め、継続的な新規事業創出につなげていきます。

②有限会社トラベルボックス広島(客員研究員 渥美雄一郎)
観光・地域事業における新たな価値創出に向けた、既存事業の整理と課題構造の可視化を実施。関係者へのヒアリングや検証を通じて、事業の方向性を具体化するとともに、実行に向けた体制基盤を整備しました。
今後も事業推進を継続して伴走し、収益化に向けた検証と改善を継続していきます。

③広島トヨペット株式会社(客員研究員 大野祐子)
SNS運用が担当者依存となっていた課題に対し、SNSを「営業活動のサポーター」として再定義しました。また、発信内容や方針の整理により、企業ブランドと連動した一貫性ある情報発信体制の構築に着手しました。これにより、顧客接点の拡大および来店・問い合わせ増加に向けた基盤が整備されました。
今後は、構築した運用方針のもとで継続的な情報発信を行い、具体的な集客・売上への寄与を検証しながら成果の最大化を図ります。

④東洋電装株式会社(客員研究員 和泉谷貴仁)
介護DXソリューション事業において、保守サポート体制の整備やネットワーク設計の標準化を推進。サービス提供の品質向上と効率化を両立する仕組みを構築し、事業拡大を支える基盤整備を実現しました。
今後は、整備した運用基盤を活用しながらサービス展開を加速し、事業としての収益拡大を目指します。

⑤森信建設株式会社(客員研究員 日置俊行)
DXツールが活用されていない組織課題に対し、推進者として参画し、基盤整備・業務可視化・経営伴走を同時に実施。属人化していた業務の整理と意思決定プロセスの改善を進め、組織として課題解決に取り組める状態を構築しました。
今後は、整備した仕組みの定着と横展開を進め、継続的な業務改善および生産性向上につなげていきます。

各発表後には、企業関係者・早田教授からのフィードバックを頂戴しました。


本報告会を通じて、企業・大学・学生・外部人材が連携することで、単なる課題解決にとどまらず、新規事業創出や組織変革につながる可能性が示されました。
叡啓大学では今後も、こうした実践型の産学官連携の取組を通じて、地域企業の成長と新たな価値創出に貢献してまいります。
ご関心をお持ちの企業・団体の皆様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
<お問い合わせ先>
叡啓大学 教育企画課 社会連携係 大野・福場
TEL:082-225-6312