教育理念
本学の目的
本学は、社会を俯瞰する視野を持ち、他者との協働のもと、文理の枠を越えた知識やスキルを組み合わせて課題の解決を図り、新たな価値を創り出すことのできる人材を育成し、地域から国際社会まで広く貢献することを目的とします。
育成をめざす人材
本学は、実社会で活躍する上で必要となるコンピテンシー(資質・能力)の育成を図る教育を行い、「先行きが不透明な社会経済情勢の中で、地域社会や世界に貢献する高い志を持ち、解のない課題に果敢にチャレンジし、粘り強く新しい時代を切り開いていく人材」の育成を目指します。
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与方針)
次のコンピテンシー(資質・能力)を身に付けたと認められるものに学位を授与します。
グローバル・コラボレーション力 仲間と未来をつくる | 多様性にもとづくグローバル市民参加 市民参加とは、社会をより良くする活動に参与し、その活動を可能にする知識やスキルや価値観を養うことです。グローバル化した現代社会では、国家をベースとした「国際」的な連携に留まらない、グローバルで包括的な市民の連帯が求められています。国籍や出身や言語、ジェンダーやセクシュアリティ、身体を含めた、さまざまな多様性を尊重し協働するグローバル市民としての素養を育成します。 |
先見性 問題を発見する | クリティカルな洞察にもとづく問題発見 クリティカルであるということは、物事を多角的・総合的に調べたうえで、自らの考えを形成することです。リベラルアーツ科目を中心とした教養教育で洞察力を養い、問いや課題を発見し、探究する力を育成します。 |
戦略性 調査・分析・設計する | 調査分析にもとづく問題解決 問題解決とは、俯瞰的な視点から、オープンエンドな問いに取り組んだり、目標を達成したりするための方法をデザインし、試行し、評価するプロセスのことです。調査分析にもとづいて、不確実な状況や予期せぬ事態にも対応できるように、柔軟に計画を立てる力を育成します。 |
実行力 粘り強くやり抜く | 相互的自律にもとづく努力 問題解決のためのプロジェクトを実行するには、関係者全員の主体性を尊重し、相互の貢献を促進する粘り強い努力が必要です。チームメンバーが建設的に関わることができるような場をつくり、効果的にコミュニケーションとりつつ相互の自律性を保ち、困難にも柔軟に対応しながら計画を遂行する力を育成します。 |
自己研鑽力 学び続ける | 好奇心と振り返りにもとづく探究 探究とは、知識やスキルや能力を向上させるための、教育制度の枠組みに留まらない継続的な学びのことです。探究するには、好奇心をもち、これまでの学びを振り返るとともに、別の状況に接続し、応用し、展開すること、すなわち転移する能力が必要です。大学での学びを次世代や他領域に拡張していく能力を育成します。 |

学長メッセージ
10年後、20年後の社会は、どうなっていると思いますか。
人口減少やグローバル化、AIなどの技術革新が急激に進み、想像もつかない世の中になっているかもしれません。
また、「人生100年時代」と言われる中、単線型の人生でなく、教育と仕事を行き来するなど、マルチステージの人生への変化が予想されます。
だから、私たちは、新しい大学を創りました。
こうした世の中を生き抜くための土台・基盤となる学びを提供し、人生を通じて学び続ける力・姿勢を育んでいける、そんな大学にしたいと考えています。
「何を知っているか」ではなく、「知識を活用し、他者と協働しながら、新たな価値を生み出せるか」。
そこに重点をおいた新しい教育で、予測不可能な時代を切り開いていくことができる人材を育てたいのです。
学生には、社会における様々な仕組みを理解した上で、自ら課題を発見し、解決策を立案して実行することで、新たな価値を創り出し、社会にイノベーションを起こしていってほしい。
それが「ソーシャルシステムデザイン」だと考えます。
あなたがデザインするのは、どんな社会でしょうか。ぜひ私たちに見せてください。
略歴
1976 年東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻博士課程修了(工学博士)。
1976 年から2008 年まで東京芝浦電気株式会社(現・株式会社東芝)に勤務し、研究開発センター所長などを務める。
東京大学監事、理化学研究所理事などを経て、2018 年に東京大学執行役・副学長に就任。
2021年4月から現職。
