広島県公立大学法人 叡啓大学

2025.11.05

【開催報告】イブニングラウンジ 10/20(月) 石井 挙之様

叡啓大学では学生のコンピテンシー育成及びキャリア形成支援の一環として、「イブニングラウンジ」を開催しています。

10月20日は、株式会社仕立屋と職人 石井挙之様にご講演いただきました。

日時令和7年 10月20日(月曜日)17:10~18:50
対象叡啓大学の学生、教職員並びに学外の方
講演タイトル成仏のデザイン
講演者株式会社仕立屋と職人 代表取締役  
石井 挙之様

株式会社 仕立屋と職人の代表取締役 石井挙之様にお越しいただき、「成仏のデザイン」をテーマにお話をしていただきました。

石井様は、英国のCentral St Martinsで『物語とデザイン』にまつわる研究で修士号取得後、滋賀県長浜市に移住し、全国のプロジェクトにデザイナーとして携わってこられました。現在は、株式会社 仕立屋と職人の代表として、伝統工芸の職人とともに活動を展開。全国で眠っている着物を“物語ごと”蘇らせるブランド【シャナリシャツ】を立ち上げ、着物に宿る記憶や想いを現代のかたちで再生する取り組みを行っています。

講演では、着物の歴史がもともとサステナブルな仕組みで成り立っていたことに触れながら、使われなくなった着物をシャツとして蘇らせるまでの工程を分担することで、地域に新たな雇用を生み出している仕組みについてご紹介いただきました。

眠っていた着物が作り手たちの手を経て新たな命を吹き込まれ、シャツとして生まれ変わることで、海を渡り、世界の誰かにつながっていく、そんな素敵なサイクルが生まれています。

このプロセスは、単なるアップサイクルにとどまらず、文化の継承と社会的な価値創出を両立する「デザインの力」を感じさせるものでした。 講演後には座談会も開催され、石井様にも最後までご参加いただきました。参加者との対話は終始和やかで、貴重な交流の時間となりました。

参加した学生の感想を紹介します。「物にあるストーリーが形を変えて渡っていくのを見て、心が温かく感じたから。自分も何かを繋げていくことに興味を持った。」、「新たな物として、誰かの役に立つものになったことが、成仏の概念とリンクしていてとても素敵で本質的だと感じました!シャツぜひ着てみたいです!」 石井様、貴重なご講演をありがとうございました。