叡啓大学では学生のコンピテンシー育成及びキャリア形成支援の一環として、「イブニングラウンジ」を開催しています。
7月25日のイブニングラウンジでは、The Red Dot School 共同代表、Certain Measuresの建築家、ハーバード大学デザイン大学院(GSD)の研究者、および東京大学の設計スタジオのインストラクターでありますウェルチ・オルテガ・ブライアン様にご講演をいただきました。
日時 | 令和7年7月25日(金曜日)17:10~18:50 |
対象 | 叡啓大学の学生、教職員並びに学外の方 |
講演タイトル | Caught in a loop |
講演者 | The Red Dot School 共同設立者 Certain Measures 建築家 ハーバード大学デザイン大学院(GSD) 研究者 東京大学 インストラクター ウェルチ・オルテガ・ブライアン様 |

ウェルチ様は、「Caught in a loop」について、私たちの暮らしに内在する様々な循環に光を当てた事例についてお話しされました。
ウェルチ様はU.Cバークレーで教育を学び、ハーバード大学GSDにて建築学を修められました。これまでに米国および世界各国で、K-12スクール、学習センター、夏期プログラムを共同設立されておられます。フォーマルな学習とインフォーマルな学習、制度とコミュニティ、仕事と遊びなど、「間」に存在する空間が持つ変革の可能性を探求されています。現在は、建築設計スタジオCertain Measuresに所属する建築家であり、ハーバード大学GSDの研究者として活動。さらに、東京大学設計スタジオのインストラクターとして教育にも携わっておられます。また、広島県の佐木島にある建築学校「The Red Dot School」を河野様と共同運営されています。
講演の冒頭では、絵本『Stone Soup』の物語を紹介し、他者との関わりや協働によって新たな価値が生まれるプロセスをメタファーとして提示。街と田舎、死と再生、覚醒と夢と睡眠──こうした対極の営みの間に存在する見えない循環は、空き家と人と地域との関係性や、技術の伝達を通じて現れます。The Red Dot Schoolを共同設立している河野様との出会いも知り合いの紹介から始まり、その巡り合わせのループから生まれたのが佐木島に建築学校の設立でした。


この佐木島でのプロジェクトには、世界各国から多様なバックグラウンドを持つ参加者が集い、島の住民から若者たちへと技術や歴史が伝えられています。それはまさに、文化や想いが好循環となっていく感動的な瞬間であると語られました。また、建物に宿る“生”の在り方を「眠っているのか」「死んでいるのか」「起きているのか」「再生できるのか」と問いかけながら、空き家を見つめる視点は、とても興味深いものでした。佐木島でのプロジェクトは、建築の“死後”にも新たな価値を見出す試みであり、地域に根ざした学びの場が世界へと開かれていく希望の象徴といえるでしょう。
ウェルチ様の熱意が伝わり、参加者からも活発な質疑が繰り広げられ、終了後の座談会では、ウェルチ様が最後まで残ってくださり、参加者との対話に花が咲いていました。
講演会を通じて、参加した学生からは感動の声が寄せられました。
「講義のテーマは非常に興味深く、多くの分野に応用可能だと思いました。」
「とても活気があり、興味深いプレゼンテーションでした。」
ウェルチ様、貴重なお話をありがとうございました。
