2024年度叡啓大学研究推進事業に採択された研究の成果を報告します。
本学では、研究活動の振興を図るとともに、本学の教育の質の向上及び社会課題の解決につなげることを目的として叡啓大学研究推進事業を実施しています。2024年度に採択され、研究事業期間が終了した研究について、成果を報告します。
研究代表者 | 安富 淳 教授 |
研究テーマ | 紛争後に残存する武装組織を巡る平和構築の課題:内戦後コロンビアの事例から Studies of Armed Groups Persisting after Peace Accord: The Case of Post-Civil War Colombia |
研究成果 | コロンビア政府は、コロンビア革命軍(FARC)との内戦が2016 年に和解合意を締結し、FARC 元メンバーに対する武装解除や社会復帰などの持続的な平和社会の実現に取り組んでいる。その一方で、未だ武装組織が数多く残存し、暴力行為、人権侵害行為などによって、地域の治安悪化のみならず、民主化プロセス、経済開発、環境保護、教育、健康といったあらゆる分野において内戦後復興に対する大きな脅威となっている。本研究では、これらの内戦後にも残存する武装組織がどのような外部環境において、また、どのような組織内の条件下で、暴力や平和に対する行動や態度がどのような過程で変化し、組織が変容する(しない)のかを明らかにしようとした。本研究では、コロンビア国内の4つの武装組織を事例に、組織内における若手(Z世代)成員の「労働」意識、SNS・AIの導入、外部アクター(隣国ベネズエラ等からの政治・経済的影響)、電子マネーによる取引などを含めた今日的諸要因が、各組織が地域組織や成員募集などの活動にどのような変化をもたらしているかを調査した。 |