広島県公立大学法人 叡啓大学

NAGAI Michael Ibanez

卒業
プロジェクト
テーマ
Creating Inclusive Social Environments: The Role of Coffee Clubs in Community Building
(インクルーシブな社会環境の創造: コミュニティ形成におけるコーヒーclubの役割)
卒業
プロジェクト
概要
大学内で運営している「コーヒーclub」を通じ、学生同士がつながり、対話を深める場として公共スペースをどのように活用できるかを探る。コロナ禍に始まったこのクラブは、多様な背景を持つ学生が集うコミュニティのハブとなり、新たなアイデアの創出を促進している。本プロジェクトでは、公共スペースの重要性とその活用について考察する。

「サードプレイス」の必要性の浸透のため
積極的に社会のつながりを深めることに挑戦

このプロジェクトは、コロナ禍における隔離生活の状況下で生まれた「コーヒーclub」を通じて、学生同士のつながりを深める「サードプレイス」の活用方法を探るものでした。

コーヒーclubとは、私が入学した2021年秋、学生との交流が全くない孤独感の中で生まれた、コーヒーを飲みながら互いの関心事や感情を共有し合う活動です。初めは私と1人の寮生とで静かに行っていましたが、2024年現在に至るまでにその輪がどんどん大きくなり、学生だけでなく教職員も、コーヒーと共に交流できるみんなの居場所となりました。そこで生まれる出会いやコミュニケーションは、私の大学生活の大きな軸となりました。コーヒーは無料で提供し、運営は参加者の寄付で成り立っています。

私が提唱した仮説は、多様な背景を持つ学生たちにとって、サードプレイスが新たな交流やアイデアの創出の場になるというものでした。仮説というよりも、この4年間ですでに結果として表れていたことです。コロナ禍に感じた孤独やコミュニケーションの不足が、コーヒーclubの存在によって解消される様子を受けて、人間の社会活動におけるサードプレイスの重要性を強く感じました。コーヒーclubが卒業プロジェクトの題材となることは必然だったと思います。現在は、そういったサードプレイスの必要性をより広く浸透させることに重きを置いています。

現代日本のカフェでは、PCやスマホとの1人時間を過ごしたり、友人同士のみで対話することが日常です。それ自体は悪いことではありませんが、他者との交流のチャンスを失っているのも事実です。本プロジェクトの「サードプレイス」とは、人々が自由に交流でき、幸せを生み出す場としています。

参加者の会話を促進するためにテーブルと椅子のレイアウトを近くに配置したり、60年代〜90年代の音楽を流して懐かしく温かい雰囲気を演出したりと、リラックスしてコミュニケーションを行える空間を模索しました。単にコーヒーを提供するのではなく、すべての参加者を受け入れて自己表現ができるスペースをめざしました。日常的に大学内でコーヒーclubをオープンする他にも、叡啓祭では2日間で200人以上の方に参加いただきました。また、宮島のマルシェでもコーヒーを提供し、活発な文化交流が行われました。

コーヒーclubの活動を続ける中で、運営経費の問題や学内ルールといった壁に直面することもありました。しかし、起きたトラブルに対して解決策を考え、試行錯誤を繰り返すうち、より多様な学生を惹きつける工夫に繋がったと思います。

大学の授業で、ウェルビーイングやダイバーシティの知見を得たことも大きな収穫でした。グループワークを行う中で参加者のアイデアの着地点を見つけるプロセスが身につき、コーヒーclubの運営にも大きく影響したと思います。

サードプレイスの必要性を広めていくために、卒業後も広島でサードプレイスを広める活動に取り組む予定です。将来的には、故郷フィリピンでも同様の活動を展開したいと考えています。

安芸高田市のイベント「はじまりのフェス」で出展