論文タイトル
Evolutionary biological perspectives on current social issues of breastfeeding and weaning
掲載誌:Yearbook of Biological Anthropology
DOI:10.1002/ajpa.24710
研究概要
授乳・離乳は、医学や進化生物学において多くの研究がなされてきた古典的なトピックですが、哺乳類である私たちヒトは母乳によって子供を育てる営みを今も続けており、現代の環境のもとで新たな社会現象も出現しています。たとえば、公共の場での授乳の是非に関する議論、母乳のオンライン取引、母親たちが母乳育児に感じるプレッシャーなどが、そうした社会現象の例です。本研究では、授乳・離乳に関する最近の6つの社会現象をレビューして3つのカテゴリーに分類し、なぜそうした現象が生じるのかを人類進化の視点から考察しました。そして、「あちらを立てればこちらが立たず」というトレードオフの考え方を用いることで、こうした社会現象がよりよく理解でき、さらに、問題解決のためのアプローチも検討できることを示しました。この研究の成果は、私たちヒトの過去を知ることが、ヒトの未来の問題解決につながり得ることを示唆しています。
詳細は、国立大学法人総合研究大学院大学ウェブサイトをご覧ください。