広島県公立大学法人 叡啓大学

2023.11.07

【開催報告】吉村公孝様ー叡啓大学イブニングラウンジ 2023/10/10

叡啓大学では学生のコンピテンシー育成及びキャリア形成支援の一環として、「イブニングラウンジ」を開催しています。

10月10日(火)のイブニングラウンジでは、一般社団法人広島イノベーションベース代表理事兼運営委員長、ベイシス株式会社(東証グロース)代表取締役社長の吉村公孝様にご講演いただきました。

日時等

令和5年10月10日(火曜日)17:10~18:50

対象

叡啓大学の学生、教職員並びに学外の方

講演タイトル

起業の挑戦:広島から東京へ。そして上場までの道

講師

一般社団法人広島イノベーションベース代表理事兼運営委員長、

ベイシス株式会社(東証グロース)代表取締役社長 吉村 公孝 様
 

吉村様は広島で起業され、東京へ進出後、社長業とともに広島を中心とした中四国地域の起業家や経営者の育成を行う社会貢献活動もされています。まず、経営しているベイシス株式会社の事業について、二つの強みを掛け合わせた造語「インフラテック」を用いて、「AIなど最新のテクノロジーを活用する」、「生産性高くサービスを提供する」という事業内容をご紹介されました。

次に、創業からどんな失敗や成功を繰り返しながら上場に至ったかについてお話されました。吉村様は学生時代から起業したいという思いがあり、一年半で会社を辞め、300万円の資金で自宅の一室で創業しました。「せっかく事業をするなら、今まで世にない新しいサービスを創りたい」と考え、新たな事業に挑戦されました。

しかし新サービスはその認知とマネタイズに時間がかかり、一方で創業当時は社会から信用がなくお金が借りられない。会社を倒産しないように維持しながら、自分の得意分野であるエンジニアリングでマネタイズし、なんとか危機を乗り越えられました。自宅の一室で起業し初期投資を抑えたこととで事業をすぐにマネタイズできことがよかったと吉村様は振り返ります。

その後、地方の多重下請け構造から脱却するため東京へ進出し、得意分野に特化したことで売り上げは伸び、全国に事業を水平展開されました。急成長した組織において、会社のビジョンやミッションを示すことに力を注ぐ一方で、世界的な経済危機に見舞われ、自社の強みを活かせない新規事業に着手したことで、「人生で一番苦しかった」と振り返ります。しかし新規事業の中でうまくいった事業もあり、「テクノロジーを生かした強みを磨き、新たな成長分野IoTに投資する」という攻めの部分だけでなく、「法律やルールを守る組織体制にする」など、守りの部分の強化を図り、3度目にして、東証グロースへの上場を果たされました。

他に、広島イノベーションベース(HIB)についてもお話しいただきました。地方の衰退を止めるには、若い世代の人たちが残り、働きたいと思える将来性のある会社や事業を地域に創ることが重要。そのためアントレプレナーシップを持った起業家を「One Hiroshima」で産み育てるプラットフォーム(HIB)を設立されました。起業家をもっと産み育て、広島をより良くしていこうという使命感をもって活動し、本学や広島の企業をはじめ、国内の同じ志を持った他団体やグローバル企業団体と連携されています。

最後に、「どんな仕事であっても、自分がどれだけ社会の役に立ったかを考え、周りの人に喜んでもらえる存在になってほしい」とお話しされました。

質疑応答では起業を志す学生などから、多くの質問が寄せられ、講演後も質問や参加者同士で情報交換などが行われました。

吉村様、貴重なお話をありがとうございました。