大学案内
卒業生


三谷日菜子さん
広島県信用保証協会
「普通」に馴染めない自分を受け入れ、自分を好きになれた4年間
叡啓大学に入学した当初、明確な将来の夢や職業像を描けていたわけではありませんでした。ただ、漠然と関心のあったジェンダーやLGBTQ+、フェミニズムといったテーマについて学び、それらを取り巻く社会課題の解決に少しでも寄与できるような力を身につけたいという思いがありました。高等学校を中途退学し、1年以上の空白期間を経ての入学でしたが、「普通」とは異なる自分だからこそできる何かがあるのではという期待も抱いていました。
叡啓大学を選んだ理由は、従来の大学の枠組みにとらわれない学びのスタイルに強く惹かれたからです。通っていた進学校の校風が合わずやめてしまった経験から、大講堂での一方向的な講義や試験中心の学びではなく、実践的な知識やスキルを身につけられる場を求めていた私にとって、偶然目にした叡啓大学の存在は、まさに理想的な選択肢であり、進学を決めました。
入学当初の私は、自分が何かのプロジェクトを起こすとは考えもしませんでした。しかし、叡啓大学での学びや経験を通じて、その考えは大きく変わりました。大学の授業を通じて、さまざまな社会課題を学び、世界中で行われている解決策を知るうちに、「自分も何か行動を起こしたい」という思いが芽生えました。特に周りの友人たちの影響は大きかったです。彼らは自らプロジェクトを立ち上げ、社会課題に向き合い、積極的に活動していました。そんな環境の中にいると、次第に自分も何か行動したいと強く思うようになりました。

私にとって特に大きな影響を受けた授業は、課題解決演習と体験・実践プログラムです。課題解決演習では、社会課題に対してどのようにアプローチするべきか、その考え方の基盤を学び、先見性や戦略性を培いました。社会課題に取り組む熱意があっても、問題解決のための適切な手法を知らなければ、プロジェクトを成功させることはできません。また、体験・実践プログラムのインターンシップの経験は、私の考え方やキャリアの方向性に大きな影響を与えました。インターンシップでは、興味のある分野で活動している団体と一緒に仕事をする機会を得ました。そこで築いた人脈が、その後のプロジェクト活動につながりました。どのようなプロジェクトにおいても、取り組むうえで、一人でできることには限りがあります。インターンシップを通じて、志を同じくする人々とつながり、グローバル・コラボレーション力を身につけたことは、大学で得た最も大きな財産の一つです。

卒業プロジェクト公開プレゼンテーションの様子
卒業後は、これまで取り組んできたプロジェクトとは異なる業界で働くことになります。新たな環境での経験を通じて、今までとは違った形で社会貢献を模索していきたいと考えています。また、大学時代に立ち上げたプロジェクトを単なる自己満足で終わらせるのではなく、社会人になってからも関わりを持ち続けたいです。
社会課題の解決というと、「一つのプロジェクトを極め続ける」というイメージがあるかもしれません。しかし、私は「仕事としての社会貢献」と「個人的な関心としての社会課題への取り組み」は両立できると考えています。その二つの軸を持ち続けながら、これからも自己研鑽力を高め行動し続けたいと思っています。
これからの学生や後輩たちには、ミーハーだと言われようと、「意識高い系」と揶揄されようと、そして自分でそう思ってしまうことがあっても、興味のあることには何でも挑戦してみてほしいと思います。結果がどうであれ、何かを始めることで見えてくることが必ずあります。途中で挫折してしまっても、それは決して無駄にはなりません。大学時代は、思う存分挑戦できる貴重な時間です。周りの目を気にせず、大学生活を全力で楽しんでください。
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