広島県公立大学法人 叡啓大学

2025.09.24

「PBL IA(夏クォーター) 最終報告会」を開催しました

2025年7月29日(火)、「課題解決演習IA」(Project Based Learning Exercise IA)夏クォーターの最終報告会が開催されました。
クライアント様から提示されたテーマについて、約2か月かけて各チームで現地調査・聞き取りを行い、特定した本質的な課題をこの最終報告会で発表しました。

担当教員の川瀨真紀学科長

最終報告会

クライアント:EXest株式会社 様

テーマAI時代の旅行体験において、「人だからこそできるガイドの価値」とは何か?
サブテーマ・外国人観光客が「人間のガイド」に期待すること・感じる価値とは?
・どんなタイプの外国人観光客が「人によるガイド」を必要としているのか?
・外国人観光客と現地ガイドを最適にマッチングするには、どんな情報・仕組みが必要か?

あるグループでは、外国人観光客と現地ガイドを最適にマッチングするには、どんな情報・仕組みが必要か検討しました。EXest株式会社様が提供する「地方のガイド」と「旅前の外国人旅行者」をマッチングする取組「WOW U」について、AIのイノベーションも取り入れながら新しい価値を展開する一方で、認知拡大については、利用者からその知人・友人への紹介が主となっていることに気づきました。また旅行者へインタビューを行ったところ、「WOW U」が比較的新しいサービスであることもあり、ほとんどの旅行者は「WOW U」を認知していないことを発見しました。このことから、信頼性・透明性の高い情報を発信するためにソーシャルメディアマネージャーを雇用し、SNS上や雑誌での露出を増やすことで、ツアーガイドを必要としている観光客に認知してもらう必要があることを本質的な課題として報告しました。

クライアント:一般財団法人広島県環境保健協会 様

テーマ「医療費・介護費の増大」を抑制するために、かんほきょうができること
サブテーマ未病というコンセプトで考えてみる

あるグループでは、一般財団法人広島県環境保健協会様は高齢者を対象とした健康イベントを行ってきた一方で、若い世代(働き世代)を対象とした健康イベントを実施できていなかったこと、高齢者は健康問題が身近な関心であるため健康意識は既に高い一方で、若い世代は症状が出るまで危機感がなく、生活習慣や健康について考える機会が少ないことを発見しました。
日々の医療費や老後の介護費を減らすためには、早期から自身の健康状態に関心を持ち、良い生活習慣を維持することが大切と考え、若年層及びその親世代を対象とした健康イベントを増やす必要があることを本質的な課題として報告しました。

クライアントである一般財団法人広島県環境保健協会様からは、今の若い世代が将来の高齢者世代であるということをしっかりと意識し、若者の自分自身の健康についての情報量を増やせるようにしたいとコメントをいただきました。

クライアント:株式会社AgeWellJapan 様

テーマ一般ユーザーにとって、提供するサービス・コンテンツ(内容)をよいものにしていきたい
サブテーマ・ Z世代のみなさんは、「老い」をどのように捉えているか。
・ 65歳以上の高齢世代とみなさんの世代に「分断」はあるのか。
 ・あるとしたら、分断とはどのようなことか。
 ・また、分断はなぜ生まれるのか。

あるグループでは、株式会社AgeWellJapan様の高齢世代向けの親孝行サービスについて、「金銭的に家族に負担をかけているのではないか」「スタッフに迷惑をかけているのではないか」という気持ちから、高齢世代の方が利用することに抵抗を感じているのではないかと考え、サービスを利用したいが金銭的・精神的負担から利用に至っていない方がいることを本質的な課題として報告しました。

クライアントである株式会社AgeWellJapan様からは、特定した課題以外にも「都会の若者は怖い、知らない若者に心を開くのは時間がかかる」「高齢世代に対して”やってあげる””してあげる”という姿勢は避けた方がよい」など、事業で気をつけていることにたどり着いた洞察力に高評価をいただきました。


過去の「最終報告会」資料の一部を特設サイトで公開しています。
社会を変える「実践力」ー叡啓大学のPBLとはー