広島県公立大学法人 叡啓大学

2023.08.23

【開催報告】藤野英人様ー叡啓大学イブニングラウンジ 2023/07/28

叡啓大学では学生のコンピテンシー育成及びキャリア形成支援の一環として、「イブニングラウンジ」を開催しています。

7月28日(金)のイブニングラウンジでは、レオス・キャピタルワークス株式会社代表取締役会長兼社長 藤野英人 様にご講演いただきました。

日時等

令和5年7月28日(金曜日)17:10~20:40

対象

叡啓大学の学生、教職員並びに学外の方

講演タイトル

投資家的に生きる

講師

レオス・キャピタルワークス株式会社代表取締役会長兼社長 藤野英人様【本学客員教授】

今回のイブニングラウンジは3部構成で、第1部は藤野様による講演で始まりました。

諸外国では投資のイメージは「楽しそう」「儲かりそう」などポジティブな意見も出てくる一方で、日本人の投資のイメージは「損をする」「リスクが高い」「勉強が必要」など、とても消極的なものが多いそうです。その理由の一つに、日本がこの30年間成長できなかったことがあると藤野さんは考えています。その日本の大きな問題は、挑戦をしないこと、しようとする人が少ないことであるとおっしゃいます。

  • 家計金融資産の構成について、日本人は現金、預金がほとんどであることに対し、アメリカはたったの13パーセントである。
  • また、一人当たりの年間寄付額は、日本人は5千円で、アメリカ人は16万円である。日本人の寄付については、これでもこの何年かでずいぶん増えたほうである。
  • 日本人はお金を自分のポケットから出すのがすごく嫌いで、タンス貯金が100兆円ある。投資をしないのが、日本が成長できなかった一因でもある。

    と藤野さんは考えます。

    投資をしないことへの問題はすごく根深く、まずできることは、「ありがとう」と感謝を伝えること、他人を否定するのではなくて、立てる姿勢が必要で「『ありがとう』は投資です。投資イコールお金では決してない。」また、「幸せになることの一つの方法は、良い仲間、良い友人、良いパートナーができること」と藤野さんはおっしゃっていました。

第2部はグループワークでした。

各グループで「投資のイメージ」「デフレとインフレの違い、インフレへの対応の仕方」について話し合い、グループごとに発表が行われました。学生からは「今まで何となく敬遠していた投資について考える時間を持った」「インフレに対応した知識をつける必要がある」等の発言がありました。また、「安価な服には、強制労働などの背景があるのでは」との意見には、藤野様は「販売価格を上げないという社長方針で頑張っている企業もある。ただし、近年原価が上がっているから、企業も限界に達している。安さとは何かを捉え直しよく考えること。そして今までとは違う戦い方を身に付けていく。これからの時代をどう生きるかを考えましょう」とのアドバイスを頂きました。


第3部は質疑応答で、参加者から多くの質問が寄せられました。

「よし、投資を始めよう!と思ったけれど、家に帰ったら面倒くさくなってしまいそうだ」という学生には、「ネットでも家の近くでもいいので、『近い』ところで少額で気楽に始めてみてはどうでしょうか」とお話されていました。

また、オンライン参加の高校生から「叡啓大学の魅力は何ですか」という質問には、「『叡啓らしさ』を創っていけることが魅力。会社の立ち上げはそこらじゅうでたくさん起こっているけれど、新しい大学が開学することは今の時代そう多くはない。ぜひ一緒に『らしさ』を創っていきましょう!」とお話しくださいました。

藤野様、貴重なお話をありがとうございました。