広島県公立大学法人 叡啓大学

教育

教員紹介

瀬古 素子 (セコ モトコ)

准教授
Master of Science in Women’s Studies(女性学修士)

研究室:622 号室
E-mail:sekom@eikei.ac.jp
オフィスアワー:月曜午後
研究内容:https://researchmap.jp/motoko.seko

プロフィール

国際公務員、JICA専門家として4大陸9か国での勤務を経て現職。

担当分野

国際協力・ジェンダー

担当講義

Studies in Diversity and Multiculturalism/多文化共生社会論
Introduction to International Cooperation and Security/国際協力・安全保障概論
Facilitation/ファシリテーション
Project Management/プロジェクトマネジメント

メッセージ

世界的なパンデミックに直面し、私たちは「地球規模の課題を解決するには国際協力が不可欠である」ということを再認識すると同時に、その対極にある国際移動制限や自国第一主義の台頭も目撃しました。ポストコロナの世界ではどのような協力・協働のあり方や手法が求められ、国際社会の一員として私たちは何をすべきか、国際協力や開発援助の形も大きく変化しています。これからの世界のリアルな課題に対し、新しい解や価値を創造していく力が持てるよう、ともに学び・行動しましょう。

研究に関する自己PR

発展途上国の保健医療分野におけるジェンダー主流化や裨益者コミュニティによる政策関与強化をどう促進するか、またそのために強化されるべきキャパシティや必要な政策枠組みがどのようなものかを研究しています。

研究テーマ

  • 三大感染症(HIV/エイズ・結核・マラリア)対策とジェンダー主流化・人権配慮
  • インクルーシブな開発援助・国際協力
  • 外部資金供与を通じた市民社会組織のアカウンタビリティとガバナンス強化
  • 国際保健分野における官民連携パートナーシップ
  • 多文化共生・ダイバーシティ尊重にかかる政策評価

研究の特徴・内容

近年の国際協力や開発援助の計画や実施には、「誰も取り残さない」SDGsの理念が強く意識され、これまで援助や支援の恩恵を受けられていなかった周縁化された人々や、社会的弱者・脆弱層に届けるための手法や考え方を用いることが求められている。しかしそのような「SDGs号令」は国際協力の現場では、実施者の理解・共感不足や政策的枠組みの欠如のために実現していないことが多い。特に国際保健分野での協力・援助に携わってきた知見をもとに、国際機関等の援助手法の変化が各国の政府による社会サービス提供や開発課題解決にどう貢献し、その課題解決を通じて受益国の人々のエンパワメントに寄与するかを研究している。

また開発援助のコンテクストで試されてきたコミュニティ参加、ジェンダー主流化や人権配慮などの「援助の条件」が、中長期的な社会の変容にどう貢献しているのかにも注目している。国際機関の主導により導入されたガバナンスの仕組みが、途上国政府のみならず、国際資金を得て活動する市民社会組織やNGOのアカウンタビリティ強化に資する事例等から、成功要因とその効果の持続性確保のための要件を分析し、政策提言している。

論文リスト

  • An evaluation of a refresher training intervention for HIV lay counsellors in Chongwe District, Zambia (2009)
  • 結核対策へもジェンダー視点を(「世界の結核事情」5)恩財 結核予防会 機関紙「複十字」No.370 (2016)
  • ケニアとザンビアにおけるHIV/エイズとSTD(公財)性の健康医学財団 機関誌 「性の健康」Vol.9 (2009)
  • Needs Assessment of the District Responses to HIV and AIDS in Botswana (2007)
  • Women as Caregivers: Socio-political exploitation of women’s unpaid labor in ageing Japan (1998)

著書

  • Guidelines for Public-Private Partnership to Strengthen Routine Immunization in Hard-to-reach Area (2018)
  • Strengthening Routine Immunization Project in Pakistan: Project Completion Report (2018)
  • Gender Assessment Tool for National AIDS and TB Responses (2015) UNAIDS and Stop TB Partnership
  • Investing in Women and Girls: The Global Fund special report(2016)

キーワード

国際協力、開発援助、国際保健政策、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)、グローバルファンド、ジェンダー、人権配慮、周縁化された人々、HIV/エイズ、援助アカウンタビリティ

関連情報

JICA専門家としての業務紹介記事:「すべての子どもに予防接種を」(「国際協力を担う人々」巻頭特集、JICA広報誌mundi 2018年2月号)

「ポスト・コロナの我が国の国際保健外交―求められるOA
政策等のパラダイムシフト」令和3年度、外務省外交・安全保障調査研究事業費補助金(総合事業)共同研究参加中

関連するSDGs項目