
水島 希 (ミズシマ ノゾミ)
准教授
博士(理学)(京都大学)
研究室:316 号室 E-mail:mizushima@eikei.ac.jp オフィスアワー:メールかTeamsでご連絡ください 研究内容:https://researchmap.jp/mizushima
プロフィール
専門は科学技術社会論。市民参加、市民科学、ジェンダー/フェミニストSTS。
担当分野
科学技術社会論、科学技術倫理、科学技術史
担当講義
Introduction to Ethics of Science and Technology/科学技術倫理入門
History of Science and Technology/科学技術史
Japanese Academic Writing/日本語アカデミックライティング
メッセージ
現代の私たちの生活には、科学技術が深く浸透しています。科学や技術は日常生活だけでなく、人生観・生命観そのものにも影響を与えています。私はこうした科学技術と社会との相互作用に興味を持っています。SDGsについて考える際、例えば家事労働や工ネルギー問題からわかるとおリ、その解決のために 科学や技術をどう使うか、あるいは使わないかを否応なく考えることになリます。社会における科学技術のあリ方について、みなさんと一緒に議論できることを楽しみにしています。
研究に関する自己PR
我々の生活や生命に深く影響を与える科学技術に対し、市民運動やフェミニズムはどのように批判してきたか、それにより主流の科学(制度的科学)はどのように変化しうるかを、科学技術社会論やフェミニズム科学論の枠組みを使って研究しています。
研究テーマ
- 日本における市民放射能測定の歴史と実践研究
- フェミニズムと科学技術に関する理論研究
- 市民科学と社会に関する科学技術論研究
研究の特徴・内容
人工妊娠中絶をはじめとする生殖医療技術や家事労働を省力化する家電製品など、女性に関わりの深い科学技術について、当事者の女性たち(活動家・研究者を含む)がどのように問題を指摘し、対抗的な実践や理論構築をしてきたかを、日本を主なフィールドとして調査してきました。東日本大震災による福島原子力発電所事故以降は、女性が多く関わっている市民放射能測定という科学活動に焦点を当て、市民科学を鍵概念にベルギーの研究者らと共同で研究を進めています。
特に、主流の科学知が内在している偏向性を、科学知そのものを使いながら解体していくことに興味があり、そのための手法の1つである新物質主義的フェミニズム科学論を用いながら、女性(市民)らの科学実践を分析していく方法を探究中です。また、非西欧社会の母親や女性の科学実践を、本質主義に陥ることなく、また西欧中心に発展してきた理論を用いながら、いかに評価することができるのかにも関心を持っています。
論文リスト
- Kenens, J., Van Oudheusden, M., van Hoyweghen, I., & Mizushima, N., Nonscalability of “citizen science” in post-Fukushima Japan: Unpacking articulations of citizen radiation measuring organizations. Public Understanding of Science, 31(4), 507-523, 2021.
- 水島希, 山崎明子., 手作りマスクが再編するジェンダー秩序-手仕事と科学の狭間で-, アジア女性資料センター, f visions, no.1, pp.23-29, 2020.
- ミヒェル・ヴァン・アウドヒュースデン,ヨーク・ケネンス, 吉澤剛,水島希,イネ・ヴァン・ホーイヴィーヒェン, 原子力をめぐる科学技術イノベーションガバナンスへの道─福島原発事故後の市民科学に関する日本-ベルギー共同研究プロジェクトからの示唆, 科学技術社会論研究、第18号,pp.58-73, 2020.
- 原塑, 水島希, 東島仁, 石原孝二., 市民科学、医学・臨床研究への市民参画と当事者研究の相互関係を考える, 科学技術社会論研究, 第18号, pp.9-32, 2020.
- 水島希, 羊膜は誰のものか——母/胎児の線引き問題と新マテリアル・フェミニズム, 思想, no.1141, 127-139, 2019.
著書
- 【分担執筆】水島希「1970年代における人口妊娠中絶の実態と批判 ——女性活動家たちによる問題の定位とその含意」、日比野・柳原編『テクノロジーとヘルスケア 女性身体へのポリティクス』、生活書院、pp.24-40, 2011.
- 水島希「セックスワーカーの運動 ——それでも現場は廻っている」(再録)『新版 日本のフェミニズム6 セクシュアリティ』岩波書店, pp.317–324, 2009.
キーワード
科学技術社会論、市民科学、科学技術への市民参加、フェミニズム科学技術論、市民放射能測定、生殖医療
関連するSDGs項目





